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風のふくままに

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歌はこころ

映画を見ても、本を読んでも、はたまた好きな音楽を聴くときでも、そのときの
自分の状態によって 受取り方はすご~く違うものだと実感した。

勿論 評論家ではないので、たんなる好き嫌い、あるいは「よかったわぁ!」「さほどでも・・・」なんていう感想はマッタクの自己本位のものである。

先日、あの皆既月食で賑わった夕べに 「石川裕啓氏のリサイタル」に行った。

昨年も聴きに行ったのに針の先ほども覚えていなくて、ご一緒した友人達に呆れられた私だったけど。コーラスで2回ほど それもちょっぴり「ヴォイストレーニング」を受けただけで、それほど印象がうすかったのかな?

でも、今年は違った。
なんで?だろ と自問自答する。
きっと自分が老化を痛切に感じ、歌う喜びよりも辛さに悩んでいるからだろうとも思う。
それに今までになく 身近にちいさな声楽のリサイタルで ソリストの歌を聴く機会に何度も恵まれ、その魅力とタイヘンさ?にめざめたからかも?

歌はこころ_d0072088_10485597.jpg氏は66歳。札幌出身・ドイツ在住で 今回で37回の帰国リサイタルだという。
肉体が楽器の歌手、それもテナーとあってはやはりそれなりにシンドイだろうと素人は考える。

会場はこじんまりと でも満員。
トークなどを交え やじや笑いもこぼれて 幼馴染から同級生、仲間やお弟子さんほか みうち感たっぷりのリラックスしたものではあるが ご本人はやはりかなりの緊張だとお見受けした。
(ここ1ヶ月ほど マッタク声がでなくなっている とこぼされた)

最初の曲は、スカルラッティの「ガンジスに陽は昇り」である。
ちょっとつらそう・・・ でも自分に言い聞かせるように「いいんだ 歌は心だから」と呟いて
胸に手を置かれた。

わたしはステージの一番近くの席にいて、初めは興味深くしかしだんだん祈るような気分になって1曲1曲を聴く。丁寧に心を込めて歌われる姿に引き込まれていった。

若い素敵なピアニストに助けられながら?2部になり だんだん調子が乗ってきた。

最後の曲「カルーソー」はホント 私は手に汗握る思いで聴いた。
「デタッ!」と一番高い音がのびやかに歌われたとき涙が出そうになった。よ・か・っ・た!

歌はこころ とは よくきき、よく言う言葉ではあるが そのナマの姿を見せていただいた気がする。

どうぞ来年も来て歌ってください。 私もガンバッテミマス・・・と心細い独り言を 心の中で呟いた。

by rei-rera | 2007-08-30 10:49